2013年08月17日

栄冠は君に輝く

 東北新幹線の福島駅ホームでは、発車の際、「栄冠は君に輝く」のメロディーがさわやかに鳴り響くそうです。これは、今夏も熱戦が展開されている全国高校野球選手権の大会歌です。作曲した古関裕而氏が福島市出身であることから、氏の生誕100周年だった4年前から流されているそうです。あの勇壮にして、伸びやかな旋律を耳にすると、野球ファンならずとも、熱気あふれる甲子園の情景が浮かんできます。球児の必死なプレー、スタンドの大歓声……全力の名シーンを彩る不朽の曲といえましょう。
 古関裕而氏の仕事場を再現した展示を見ると、そこには、意外にもピアノがありませんでした。古関裕而氏は深く静かに思いを巡らし、魂で奏でた旋律を五線紙に綴り、作曲したそうです。
 先の大会歌も、誰もいない甲子園球場のマウンドにたたずみ、曲想を練りました。大舞台で乱舞する選手だけでなく、甲子園を目指すも地方大会で涙をのんだ多くの球児、さらには、彼らを応援する仲間、支えてきた家族……そうした人たちの「心の声」に耳を澄ます中にこだました音律を、紡いだにちがいないありません。

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