2013年07月30日

グライダー能力と飛行機能力

 子どもが成長する過程で「なんで?」「どうして?」と、しつこく親に問う時期があります。それは言葉や概念を自分の中に受け入れる前に、きちんと納得したいという気持ちが潜在的にあるからなのです。
 しかし社会生活を送るうち、こうした問いは薄らぎがちになってきます。代わりに、周囲に合わせる術を学んでいきます。だが、バランスのよい成長には、“問いを発する力”もしっかりと鍛えたいものです。
 外山滋比古さんは『思考の整理学』の中で、人間にはグライダー能力と飛行機能力がある、と語っています。受動的に知識を得るのがグライダー能力で、自分でものごとを発明・発見するのが飛行機能力である。とはいえ、昨今の学生はグライダー能力への偏りが強く、社会で苦労する要因になっていると指摘しています。
 飛行機能力を高める一つの要素として考えられるのは、内発的思考でしょう。しかし“内発”といっても、自分で考え、学ぶだけで“思考”が湧いてくるわけではありません。友との語らいなどによる、違う価値観との出合いも欠かせない。と、外山滋比古さんは指摘しています。


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