2013年02月27日

相手の話すことをよく聞くこと

 「俳優さんに最初に言うことは『相手の話すことをよく聞くこと』」。映画監督の黒澤明氏が言った言葉です。黒澤監督は、演技のリハーサルの際、「それが熟してきたかどうかの目安は、会話を聞いている側のリアクションにある」と考え、俳優が台詞を話す時よりも、むしろ黙って聞く時の表情を重視したそうです。「自分の喋るきっかけを待っている場合と、相手の話をよく聞いて話す場合では、はっきりリアクションの差が現われる」からです(『黒澤明の遺言』都築政昭著、実業之日本社)
 自分の主張や考えを伝えたい時は、自然と熱や力が入るものです。しかし、相手の話が長引くと、じれったくなって途中でやんわりと遮ったり、“次にこれを言おう”と、相手の話を上の空で聞き流したり……。そんな経験を思い出して、反省する人も少なくないのではないでしようか。

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