2013年02月20日

百年先

 百年先でも持ちこたえる羽子板を作る――伝統ある「押絵羽子板」を制作する西山鴻月氏の意気込みです。この道72年。しかし今も、満足のいかなかった部分に、最初に目が行くそうです。素人目には判別できないほどの些細な部分でも妥協を許しません。そこを改善して、次にどう生かすか。求道心に衰えはありません。
 良いものを作るために技術を磨く。それは当然ですが、さらに大切なのは「人間性」を磨くことだと西山氏は語ります。それは作品に“作り手自身”が映し出されるからです、と。西山氏は若かりしころ、父親から「いい人間になりなよ」と言われたそうです。その真意を理解するのに十数年かかった(鮫島敦著『職人を生きる』岩波ジュニア新書)

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