2012年10月20日

予想外の結果に落ち込んでいても、何も生まれない

 iPS細胞(体のあらゆる細胞に変わる万能細胞)の生成に世界で初めて成功した山中伸弥教授。先日、ノーベル賞受賞が決定したことはご存知でしょう。しかし教授が、研究者の道へ踏み出した最初の実験は〝失敗〟でした。
 大学院時代、犬を使い血圧調整の研究に着手。予測では〝ある因子を投与すると血圧は下がらなくなる〟はずが、見る見る急降下。仮説は外れました。しかし教授は落胆する代わりに、目の前の現象そのものに心を奪われました。研究の面白さに目覚め、虜になったそうです。
 ノーベル物理学賞の益川敏英名誉教授の言葉が示唆に富んでいます。曰く〝予想外の結果に落ち込んでいても、何も生まれない〟(『「大発見」の思考法』文春新書)。

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