2012年09月07日

聞く力

 ロンドン・パラリンピックは10日に閉会式を迎えます。その昔、オリンピックの淵源となる古代ギリシャの「オリンピア祭」では、競技には体育種目以外に、詩作や音楽もあったそうです。競技場では、弁論を披露し合い、優劣を競う者もいたという事です。
 「オリンピア祭」だけではありませんが、弁論術や話術など情報発信の技術は、長年にわたって発達してきました。一方で、人から情報を受ける側面、すなわち、「聞く」行為の重要性が指摘されだしたのは最近のことです。驚くのは研究自体が始まったのも、近年のことだそうです。
 ある研究によれば、サラリーマンの仕事の最低4割は“聞くこと”にあるそうです。しかし調べてみると、適切に聞けた割合は、わずか25%だったという(伊藤進著『<聞く力>を鍛える』講談社現代新書)。情報があふれる現代、正しく人の話を受け止め、それを生かすことの重要性は一段と増しています。『<聞く力>を鍛える』の著者・伊藤氏は、「高めるには、実際のコミュニケーションのなかで聞くことを実践しながら、練習・訓練を積み重ね、熟達していくしかない」と語っています。

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