2012年07月08日

バス・ボイコット運動

 今、彼は黒人解放の指導者・マーチン・ルーサー・キングと呼ばれていますが、彼ががいたから運動が始まったわけではないのです――。運動の出発点はバス・ボイコット運動(1955年・56年)でした。舞台となった南部の町モンゴメリーでは、長年の人種隔離で黒人は非人間的に扱われ、憤りのエネルギーは限界まで膨れ上がっていました。しかし突破口を開く人がいませんでした。
 その時、バス席の隔離に反対して「ノー!」と叫んだ名も無き黒人女性でした。それが、デパートで服の仕立てをしていた一女性、ローザ・パークスさんです。彼女は立場とか役職で行動したのではありません「このままではいけない!」と自覚した一人の執念の叫びが、怒りの水門を開いたのです。
 キング博士は、こうした民衆の意志の奔流を「時代精神」と呼んだ。この時代精神を引き寄せるのが、草の根の勇気の声である。一歩一歩の行動である。それをバス・ボイコット運動は教えています。


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