2012年05月26日

反応の速度

 あるファストフード企業の話です。客が注文してから商品を受け取るまでの待ち時間を1秒短縮すると、年間8億円の増収になると試算しました。なによりも、お客さんの喜ぶ顔が見えるのが一番でした。だからこそ、スピードにこだわっているそうです(原田泳幸『ハンバーガーの教訓』)
 「時は金なり」です。人件費の面からも、時間を短縮した分だけ、利益が上がります。反対に、時間を無駄にすれば、経費の浪費になります。ビジネスの世界で奮闘する者ならば、誰しも「時」の大切さを痛感している事でしょう。
 話は変わりますが、今から七百数十年前の事です。宗教家の日蓮大聖人は、門下の妙法尼から「夫の病気が重い」と聞くや、即座に激励の手紙を出されました。「亡くなった」との知らせを受けた直後にも御手紙を。一人の信徒に、11日の間に2通も送られた事もあったそうです。
 この鎌倉時代は、電話も電報もない時代です。「悲しみを一刻も早く癒やしてあげたい」との溢れんばかりの大慈悲が、反応の速度に表れていると思えてなりません。
 


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