2012年01月11日

自分たちの歴史と文化を守るために

 イラク戦争のさなかの市民の実話を描いた絵本に『バスラの図書館員』(ジャネット・ウィンター作・長田弘訳、晶文社刊)があります。主人公は、女性図書館員のアリア・ムハンマド・バクルさん。
 アリアさんは戦争が始まると、図書館の本を安全な場所に移してほしいと当局に求めるが、拒否されます。しかし、彼女はあきらめません。そこで毎晩、自分の家や車に、持てるだけの本を運び入れました。やがて町に戦火が広がり、陣取っていた兵士も逃げ出しました。
 アリアさんは自分たちの歴史と文化を守るために、近所の人たちの協力も得て、徹夜で本を運び出します。その数、蔵書の7割にあたる3万冊にも上りました。“アリアさんはのぞみをすてません”――物語の終盤には、このような言葉が、何度も繰り返されています。

バスラの図書館員
http://hontasu.blog49.fc2.com/blog-entry-276.html

 使命を感じた人は強い。揺るがない。その生き方の土台となるのは、やはり“のぞみ”――希望だ。「希望があれば、前進できる。何があっても戦える」


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