2011年10月14日

良い師匠。良い先輩を持つことは大切です

 キンモクセイの季節ですね。モクセイは別名「九里香」とも。その名の通り、秋風に乗って香りは遠く広がっていきます。しかし、どんなに香りの良い花があっても、「花の香りは風に逆らっては進んで行かない」。釈尊はこう語っています。「しかし徳のある人々の香りは、風に逆らっても進んで行く。徳のある人はすべての方向に薫る」と(中村元訳『真理のことば 感興のことば』)。

 “自分にはできない”――そう決めて、自身の弱さを肯定することは、往々にしてあるこです。しかし、これはやろうとしない自分への弁解ともいえます。反対に、悩み苦しんでも、解決できると努力を惜しまない挑戦の姿勢。この“たゆみない実践”の先に、自分の本当の力も出てくるのではないでしょうか。

 『論語』の中で、弟子の冉求(ぜん ゆう)※ が師匠の孔子に、自らの真情を吐露します。「先生の教えを喜んでいないのではなく、私の力が足りないのです」と。孔子は「力が足りない者というのは、中途でやめてしまうものだ。今、あなたは力が足りないのではなく、自ら力を限定してしまっているにすぎない」と励ましたそうです。良い師匠。良い先輩を持つことは大切です。

 ※冉有(ぜん ゆう)は、孔門十哲の一人。孔門十哲(こうもんじってつ)は、「孔門の十哲」「四科十哲」ともいわれ、孔子の弟子の中でも最も優れた十人の弟子をさします。
 名は求、字は子有。行政手腕に優れ季氏に用いられる。孔子からも政治の才能を認められ、大きな町や卿の家の長官として取り仕切ることができると評された。
一方、消極的な人柄であったようで、孔子から「聞くままに斯れこれを行え」と激励されている。



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この記事へのコメント
時代を変える偉業でなくとも、あなたしか出来ない事があるはずです。地道な労作業がいつか花を開きます。
Posted by timberland pas cher at 2014年09月10日 09:42