2019年01月07日

傍観者から主体者

 私も知らなかったのですが、江戸時代中期、信州松代藩の家老として活躍した恩田木工がいました。当時、藩は深刻な財政難に陥っていたそうです。その中で彼は、抜本的な改革へ陣頭指揮を執り、見事に藩をよみがえらせました。
 まず彼が行ったのは、厳しい財政状況を全ての藩士に包み隠さず伝え、協力を求めることでした。と同時に、決してひとごととは考えないよう訴えた上、改革に同意し、藩のために行動するという誓書を、藩士はもとより藩主や一族からも取りつけたのです(童門冬二『名家老列伝』)
 何をするにせよ、“ひとごと”と思えば力は湧きません。“自分の問題”と捉えればこそ、知恵や力が生まれ、活路も開けるのです。改革が成功した要因の一つは、“傍観者から主体者へ”という一人一人の意識の転換にあったともいえましょう。

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