2018年11月28日

朝鮮通信使

 「世界の記憶」(世界記憶遺産)に「朝鮮通信使に関する記録」があります。
 朝鮮通信使は江戸時代、朝鮮国王が徳川将軍家に派遣した使節団です。約200年間で12回、日本を訪れました。これは豊臣秀吉の朝鮮出兵で断絶した国交を回復する形で始まった“国家間交流”ですが、回を重ねるにつれ、民間人による幅広い文化交流も行われました。
 通信使の随員が宿泊する宿には、日本の学者や文人が訪ねて筆談し、詩を互いに披露するなどしたそうです。多くの人々が押しかけ、明け方まで随員が寝られなかったとの記録も残っています。医師や画家同士の対話も行われたという(仲尾宏著『朝鮮通信使』岩波新書)。相互理解の裾野を広げたのは、こうした多彩な交流であったのです。

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