2018年06月20日

目に見えないもの

 明年、没後500年を迎える画家レオナルド・ダ・ヴィンチは、“目に見えないもの”を描く天才でもあったそうです。例えば戦争画では、兵士の「心の内面」をどう表現するかにこだわりました。
 勝者を描く際は、「砂埃りのため両眼から流れ出た涙とまざって泥だらけになった頰や眼を両手でぬぐい」「身をかがめて、これ(敵)に止めの一撃を与えようと力をふるって」「頭髪その他の軽いものを風に吹き靡かせながら疾駆する」様子を表現すべき、などと事細かくメモしています。
 「心の情熱を表現する動作が人物にあらわれないかぎり、その人物画は賞讃に値しない」(杉浦明平訳『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記(上)』岩波文庫)。そうですね!!

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