2017年05月10日

心の労作業

 通信販売会社「アマゾン」を創設したジェフ・ベゾス氏が、10歳のころ、大好きだった祖父母と旅をしていました。暇を持て余すベゾス少年は、当時、よく耳にした公共広告を思い出した。たばこを一服吸うごとに、何分寿命が縮まるかという内容でした。
 祖母は、たばこを吸う人でした。少年は計算して、得意げに、祖母の寿命が9年短くなるはずだと告げました。祖母は泣きだしました。がんと闘い、余命が長くなかったのです。
 祖父は車を止め、少年を外へ誘いました。叱られると思いきや、祖父は優しく語り掛けました。「ジェフ、賢くあるより優しくあるほうが難しいといつかわかる日が来るよ」(ブラッド・ストーン著、井口耕二訳『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』日経BP社)
 人を悲しませることは、たやすい。何の配慮もなく、思いつきや感情を、そのまま語っていればいい。しかし、人を安心させ、幸せにするには、”心の労作業”がいります。それが本当の「賢さ」でしょう。

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