2015年08月27日

山家学生式

 伝教大師・最澄の『山家学生式』は、革新的な教育提言であったといえます。その内容です。子弟の養成期間は12年。「初めの六年間は教えを聞くことを正課とし、思索と修行を傍としています。一日を、三分してその中の二分を仏教学、一分を仏教以外の学問とする」「後半の六年間は、思索と修行を正課とし、教えを聞くことを傍とする」 (田村晃祐訳)
 これは、堕落した南都仏教の硬直性を正し、開かれた〝学びの心〟を取り戻そうとする試みであったようです。若き日、日蓮大聖人も、最澄の開いた比叡山に学 んでいます。そこは鎌倉新仏教の揺籃の地となりました。
 受け身で学ぶのみならず、自分の頭でしっかり思索し吟味する。勉学・読書は、深く掘り下げるとともに幅広 く――。この学びの姿勢は、いつの時代にも欠かせません。

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