2014年09月01日

 関東大震災

 関東大震災が起きた1923年(大正12年)9月1日、東京や鎌倉などに住んでいた多くの文人も、この未曽有の災害に遭遇しました。
 震災直後から芥川龍之介、与謝野晶子、島崎藤村といった、そうそうたる文人たちは、自身の体験を次々と書き残していきました。91年たった今、読み返しても、そこにつづられた心情は、単なる統計や記録以上に胸に迫るものがあります。
 当時、熱心に被災地の状況を描いた一人が、詩人で画家の竹久夢二でした。文章と絵画を合わせた作品があります。タイトルは「不死鳥」。氏は書きました。「新しい東京が生れることは、嬉しい。が、前の東京に返るのなら嬉しくもなくなる」(石井正己著『文豪たちの関東大震災体験記』小学館)。
 「新生」こそ真の復興との思いなのでしょう。こうした手記の印刷物は広く民衆に支持されました。新聞が早々に復活したのも、人々の強い要求があったからです。

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