2014年02月06日

待つ

 かつて「待つ」ことはありふれたことでした。と語る大阪大学総長の鷲田清一氏。1時間に1台の列車を待つ。数日後の恋文の返事を待つ。万葉集や古今和歌集など、待ち遠しさを歌うことが定番の歌謡の手管がありました。
それが現代はあらゆる面で“待たなくてよい社会”になってしまいました。待ち合わせに遅れそうになれば、携帯電話で連絡がとれる。おなかにいるわが子の性別や遺伝子情報も出生前には判明する。のはほんの一例です。
しかし、その一方で、物事を長い目で見る余裕がなくなり、結果が出ないとすぐに別のやり方を追い求める傾向も多々あります。そんな現代を鷲田氏は“待つことができない社会”になったとも評しています(『「待つ」ということ』角川選書)

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