2013年09月18日

考えること

〝伝説の国語教師〟橋本武氏がメディア紙誌をにぎわせた時がありました。話題の中心は、そのユニークな授業スタイル。教科書を使わず、中学の3年間で『銀の匙(さじ)』(中勘助著、岩波文庫)だけを学ぶというものです。
 時は戦後の成長期、駆け足の時代の流れに抗うかのように、薄い文庫本をじっくり味わいながら読む。物語の時代の暮らし、古い遊び、地方の言い伝えや年中行事など、一つ一つを丁寧に解説していきます。この授業はすぐ受験に役立つ知識ではありません。が、生徒たちは、そこから〝考えること〟を学びました。後に東大総長、最高裁事務総長といった逸材が、あまた世に出ました(『奇跡の教室』伊藤氏貴著、小学館)

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