2013年06月24日

人間の生き方

 レイチェル・カーソンの環境問題の古典『沈黙の春』が、米国の雑誌に掲載されたのは、51年前の1962年6月の事でした。半世紀を経ても同書が色あせないのは、「自然破壊への警告」を超えて、「あるべき人間の生き方」を問いかけるからでしょう。
 作家の野添憲治氏がまとめた『聞き書き 知られざる東北の技』(荒蝦夷)に、銘木づくりの匠の話があります。加工後の利益を見込んで丸太を買う。まれに値踏みが外れることがある。その際、反省すべきは損をした時ではなく、想定外の利益を出した時だという。それは、人間が生きる何倍もの時を、大地に根を張り、風雪に耐えてきた木と向き合えば、おのずと畏敬と謙虚の念が生まれる。その木から不相応な利益を得ることに、恥ずかしさを覚えるのだと、記しています。
 沈黙の春 http://www.geocities.jp/ahorn_3703/silent_spring.html

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