2012年10月29日

大事な視点

 飛鳥時代の工人は、木の特性を見抜き、右によじれる木と左によじれる木をうまく組み合わせ、左右のよじれをなくして直線になるようにしたそうです。法隆寺のヒノキが1300年ももったのは、この“木組み”にあるといわれています。
 ある造園師の話です。子どものころから植木畑の草むしりをしながら木の性格や個性を学びました。「同じ木でも、植えた場所や日当たり具合によって性格が違います。木によって、剪定や植え替えの季節が違います」。木の特性を生かす時と場所がある。と。
 石積の場合。器量のいい石垣は「すべての石が、大きい石も、小さい石も、全部がお互い手を結び合って強固なスクラムを組んでいる」と語ります。収まるべき場所に収まり、お互いの長所を生かすと、強固な石垣となる。(渡辺文雄著『仕事の原点』)
 中国の古典『韓非子』に「物を役立てるには適所があり、才能をはたらかせるにも用い所がある」(金谷治訳)と。これは、人材登用の大事な視点である。

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