2012年04月20日

文書

 3年前、詩人・宮沢賢治の未発表の草稿が発見され、話題になりました。詩は地図の裏に鉛筆で綴られていました。賢治が外出中、たまたま持参していた地図に、溢れる詩興を書き留めたのだろうと推測されます。 鎌倉時代に生まれた日蓮大聖人の御真筆も、古い書面の裏に書かれたものが多いそうです。それは紙不足の当時、門下が不要になった紙の裏を使ってもらおうと供養したものといわれています。例えば、現存している富木常忍にあてた書状などは「一二八通におよぶ多数の文書の裏に書かれている」(網野善彦『蒙古襲来』)
 日蓮大聖人は門下の苦悩を知ると、即座に激励を記さずにいられなかったのでしょう。やむにやまれぬ思いから、お手元の紙に励ましを綴られた様子がうかがえます。

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