2018年12月24日

ふゆみずたんぼ

 宮城県の水田地帯「大崎耕土」が東北初の世界農業遺産に認定されています。これは、初代仙台藩主・伊達政宗の時代から続く治水や、自然と共存する稲作の文化が、国連食糧農業機関(FAO)に高く評価され、注目を集めています。
 通常、農閑期の田は乾燥させますが、この地域では、田に水を張る「ふゆみずたんぼ」という農法が受け継がれています。田に水を注ぐと、イトミミズや菌類が繁殖し、土が肥えます。落ち穂をついばむ渡り鳥の糞は、天然の肥料に。また、水中の微生物が適度に日光を遮り、雑草の成長を抑える。こうして無農薬で栄養価が高く、味わい深い米が育つという。
 動物や植物の働きを絶妙に調和させ、大地の力を引き出す――先人は、試行錯誤を重ねつつ、長い時間をかけて動植物を観察し、その息遣いに耳を澄ませたのではないか。先人の共生の知恵に学ぶことは多いですね。

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