2018年07月13日

土壌の話

 農学の大家が、ある村で1時間ほど講演しました。題名は「土壌の話」。終了後、一人の聴講者が、けげんそうに質問しました。「どじょう、どじょう、とおっしゃいましたが、赤どじょうのことですか、ごまどじょうのことですか」と。
 農学の大家が「土」で分かるところを「土壌」と言ったために、淡水魚の泥鰌と混同され、講演が分かりにくくなってしまった――。言語学者の金田一京助氏は、このエピソードを通して、言葉を発する際に大切なのは「よく分かること」と指摘しています。相手が理解できるように話す、日常的な話し言葉が「ほんとうの生きたことば」であると(『金田一京助全集 第14巻』三省堂)

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