2018年07月02日

2人の友情

 ドイツの作家ヘルマン・ヘッセが誕生したのは、141年前のきょうの事です。戦後、「ノーベル文学賞」を受賞した彼は、2度の世界大戦の中で、戦争に狂奔した時流に流されず、平和を叫ぶ言論闘争を貫きました。
 第1次世界大戦が勃発した直後、ヘッセは次々と反戦の声を上げ、新聞各紙から「裏切り者」「節操のない男」などと非難を浴びた。出版社は、彼の著書の出版停止を宣言。友人たちも次々と彼の元を離れ、苦境に立たされます。
 この時、彼を支えたのが、フランスの文豪ロマン・ロランででした。ヘッセに手紙を送り、「いっそう私たちは互いの結合を強めなければなりません」(みすず書房『ロマン・ロラン全集39』清水茂訳)と連帯を呼び掛けます。ヘッセも、その考えに賛同を示しました。時に意見を戦わせながらも、2人の友情は終生、変わらなかったのです。

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