2017年12月30日

名画のようです

 ある人が、これまで招かれた結婚式の中でも、特に印象に残るものが二つあると語っています。一つは、友人が新郎の来し方を紹介する企画。冒頭、赤ちゃんの元気な泣き声が会場に流された。これは、実際に新郎が誕生した時に録音された産声で、今日まで母親が大切に保管してきたという。
 もう一つは別の式でのこと。両親への花束贈呈の際、新婦は花束に代えて、小さなぬいぐるみを実父に贈りました。司会から、「この特注のぬいぐるみは、新婦が生まれた時の体重と同じ重さで作られています」と。
 それぞれの式典で目にした感動のシーンに、共通したことがありました。それは共に、母親は深い慈しみにあふれた笑みをたたえ、父親は握り拳に歯を食いしばりながらも、ついに我慢できず、美しい涙を流していたことです。
 わが子の誕生を心から喜び、時に笑い、時に泣きながらも一緒に歩んできた日々――涙に濡れながらほほ笑み合う、それぞれの親子の姿は名画のようです。

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