2017年12月18日

人の思いがあったのです

 整然と木立が並ぶ「並木道」を行くと、心が和みますね。歩みつつ、人間と自然との調和を思いませんか。
 長野県南部・飯田市の中心街に、りんご並木があります。ここは旧・建設省の「日本の道百選」や、環境省の「かおり風景百選」に選ばれた歴史もあり、四季を通して、道行く人を楽しませています。
 1947年に発生した「飯田大火」で、同市の市街は大半が焼失しました。リンゴの木々は、町の復興を願った地元中学生によって植林されたものだそうです。大火の教訓を風化させないシンボルであり、今では防火帯の役割も果たしています。
 同県の東部にある軽井沢の別荘街。カラマツの美しい並木道が印象に残ります。しかし、明治初期までは、浅間山の降灰で荒れ果てた土地でした。自生のカラマツはなく、「ここに私たちの理想郷を」と夢を抱いた人々の手で、一本一本、植えられました。洗練された町並みの原点にも、人の思いがあったのです。

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