2016年08月23日
見えない人々
災害・事故などで、大切な人を失う。絶望と悲しみのふちから立ち上がるには「死者とともに生きる」ことが欠かせない。中島岳志氏(北海道大学公共政策大学院准教授)は、自らの体験を踏まえつつ、そのように考えています。
死者は思い出の中によみがえり、今なお忠告や励ましを送ってくれる。「私自身の主観の中で、私は亡くなったその彼と、もう一度出会い直している」と氏は語るのだ(『いわきから問う 東日本大震災』東日本国際大学東洋思想研究所編、昌平黌出版会)
人間を律する力となる、世の倫理道徳の多くも、生者と死者との関係のうちに育まれた、といえるのではなかろうか。この世には、私たちに大きな影響を及ぼす“見えない人々”がいる――と思想家エリアス・カネッティは指摘しています。
死者は思い出の中によみがえり、今なお忠告や励ましを送ってくれる。「私自身の主観の中で、私は亡くなったその彼と、もう一度出会い直している」と氏は語るのだ(『いわきから問う 東日本大震災』東日本国際大学東洋思想研究所編、昌平黌出版会)
人間を律する力となる、世の倫理道徳の多くも、生者と死者との関係のうちに育まれた、といえるのではなかろうか。この世には、私たちに大きな影響を及ぼす“見えない人々”がいる――と思想家エリアス・カネッティは指摘しています。
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