2016年04月25日

立正安国論

 弱い者の立場、庶民の側に立つ。学問する人間には、その姿勢が貫かれていなければならない――。これは、立命館大学の安田喜憲教授が語った言葉です。
 環境考古学を専門とする安田教授は、地中深くの堆積物を調べることで、過去の気候変動を年単位で復元する「年縞」という年代測定法を確立しました。その手法によると、鎌倉時代・日蓮大聖人が御在世のころは気候が不安定で、西日本は大干ばつに襲われ、東日本も集中豪雨に見舞われたと分析しています。
 1257年には「正嘉の大地震」が発生。飢饉の苦しみが庶民を襲い、関東では大洪水も起こりました。教授は、こうした状況の中で、大聖人が「立正安国論」を著されたことを強調。「『庶民のため』との行動を貫いた日蓮大聖人の魂を永遠に堅持し続けてもらいたい」と、創価学会への期待を述べています。
 「立正安国論」の御真筆には、「国」を表す71文字のうち約8割に、「くにがまえ(囗)に民」の「■<囗の中に民>」が使われています。この点にも、民の安穏を離れて国土の繁栄はないとする、大聖人の民衆中心の国家観が表れています。

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