2016年02月15日

タイムマシンの発見

 生命科学の分野で人間の変革能力が明らかにされつつあります。ノーベル医学生理学賞の山中伸弥教授らが開発したiPS細胞も、その一つです。さまざまな組織や臓器に分化した細胞は、長い間、決して元の状態に戻ることはないとされてきました。だが、四つの遺伝子を入れることで、細胞が真っさらな初期状態にリセットされ、受精卵のようにあらゆる細胞に分かれていくiPS細胞に生まれ変わったのです。
 評論家の立花隆氏は「これはいわば、タイムマシンの発見と同じ」(『生命の未来を変えた男』文藝春秋)と語っています。究極の若返り法との期待も大きい。ただし、なぜ四つの遺伝子で細胞が初期化されるのかは今も謎。その複雑な働きの解明はこれからです。

この記事へのトラックバックURL

http://asunimukatuye.mediacat-blog.jp/t114928