2016年11月04日

新渡戸稲造

 今年は、新渡戸稲造の生誕154年です。彼は国際連盟事務次長を務めた、近代日本を代表する国際人です。
 新渡戸は若いころ、演説が大の苦手だったそうです。とにかく震えが止まらない。“聴衆はただの椅子”と思い込んでみるが、よく見れば、やはり人の顔。“聴衆は気心知れた友ばかり”と思ってみても、実際は面識もない人ばかり。“聴衆をのみ込んでやれ”と思うほど、自分がのまれる気がした――ユーモアも交え、赤裸々に述懐しています(『新渡戸稲造全集』第10巻、教文館)
 その彼が吹っ切れた瞬間があります。「演説を賞められたい、或は自分がよくいはれたいと色気があればこそ、恐れ戦くもの」「賞めるか、誹るかそれは他人のすることで、自分のすることは只ベストをするのみだ」。こう腹を決めた時を境に、演説の達人へと飛躍したそうです。  

Posted by mc1460 at 11:38Comments(1)TrackBack(0)つぶやき