2016年11月02日

マンデラ

 「変わるべき時に私自身が変われないなら、人々に変化を求められません」。これは、映画「インビクタス/負けざる者たち」における、マンデラ大統領のせりふです。
 アパルトヘイト(人種隔離)の悲劇を越えて、新生・南アフリカ共和国を率いる氏は、人種の融和に心を砕く。「和解と赦し」を掲げ、ラグビー代表チームの白人キャプテンとも友情を紡ぎました。「なぜ?」との問いへの返答が、冒頭の言葉です。同国で開催されたワールドカップにおける感動ドラマも、そこに生まれたのです。
 「心の強さ」には二つあります。勇気と寛容です。勇気とは、己心の衝動を抑えて、方向を転ずる能力。寛容とは、人々を助け、友情の絆によって結びつこうとする努力。哲学者スピノザは主著『エチカ』で、そう語っています。マンデラ氏は、その二つを備えているといっていい人物です。  

Posted by mc1460 at 11:35Comments(1)TrackBack(0)つぶやき