2016年01月21日

なぜ狂わないのか

 NHKの朝の連続テレビ小説で放映された「マッサン」。主人公のモデル、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏は北海道・余市町に蒸留所を築くにあたり、一人の男を迎え入れました。その人は樽作り名人の小松崎與四郎氏。彼に、ウイスキー製造に欠かせない洋樽作りを託したのです。
 洋樽は何枚もの板を合わせ、鉄の輪をかけて固定しますが、何度か再利用すると、木の収縮により〝狂い〟が生じます。だが、この名人の樽は何十年使ってもガタがこなかったという。
 なぜ狂わないのか――秘訣を聞いた評論家の草柳大蔵氏に、小松崎氏は意外な言葉を返しました。「〝名人芸〟よりも仕事の堅いこと、精神の堅いことが必要」「親方とか上に立つものは、身体で堅いところを示さないといけない。隙をみせたら、工場の中はそこから崩れてゆく」(『現代の名人』現代人社)と。  

Posted by mc1460 at 13:45Comments(0)TrackBack(0)つぶやき