2015年02月08日

ザゼンソウ

 花屋の店先の鉢に、福寿草が咲いていました。春に向かう季節の花を見て、植物を研究する教授の話です。
 その教授が研究するザゼンソウは、寒冷地の湿地に群落を作り、自生します。開花は早春。舟の形をした厚い葉が花を優しく包み込みます。まるで、わが子を寒さから守る母親のように。
 この花の特徴は、発熱することです。開花の一定期間、20数度に保つ性質を持っているそうです。寒さを耐えた花は、春の足音とともに自ら発熱し、雪を解かしていくそうです。  

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2015年02月07日

金閣寺放火事件

 金閣寺放火事件が起きたのは1950年(昭和25年)7月のこと、犯人は若い寺僧でした。
 三島由紀夫の『金閣寺』は、同事件に材を取った小説です。一方、犯人と同郷だった作家・水上勉にも『金閣炎上』と題する一冊があります。こちらは綿密に取材を重ねて著したノンフィクションです。
 『金閣炎上』を開くと、当時の仏教界の実態がよくわかります。寺は多額の拝観料に潤い、住職は酒に溺れ、花街に遊ぶ日々。欲望にまみれた寺の内情を見て、犯人は僧として生きることが嫌になってしまったのではないか、と水上は推測しています。
 敗戦下、国民の生活は苦しかった。ところが坊主は、のうのうと暮らしている。民主化へと向かう時代にあって、庶民を食い物にする既成宗教界への反発は、必至であった事でしょう。  

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2015年02月06日

109歳

 2020年の東京夏季五輪まで、およそ5年半。その年、109歳となる医師の日野原重明氏は、”十分な気力と体力をもってオリンピックを迎える”と目標を立て、愛用する十年日記の2020年の欄に予定を書き込んだという。いくつになっても、「人間としての成長」を刻もうと、自身を鍛える人は若々しいですね。  

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2015年02月05日

警備

 「フクロウ」と「鍵」。これは日本で最初の警備会社が社章に用いた警備の象徴です。夜行性の鳥であるフクロウのマークの上にはラテン語で「万人眠れるとき、われら警備す」と記してあります。創業者の信念は「犯罪、火災等の災害を未然に防ぐ」ことでした。
 「安全」を意味する英語「security」は「se」(~なしに)と「cura」(心配)からなるラテン語「securus」が語源となっています。心配をなくし、事故を未然に防ぐのが「警備」であり、その本質は、人の見ていないところで努力を重ねることにあります。  

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2015年02月04日

あんばい

 フランス料理に「シュクレサレ」という言い方があります。これは、砂糖と塩の意味です。日本に「塩梅」という言い方があるのと同様、調味料を上手に調整して味を引き立てるのは、古今東西の料理の秘訣です。
 「塩梅」は、“物事や身体の具合”という意味でも使われます。物事や身体も、いい「あんばい」にするには「調和」が欠かせません。人が3人、10人集まれば、性格も考え方もさまざまです。が、スイカに塩をかければ甘さが引き立つように、うまく調和すれば、互いの“持ち味”が引き出される。そうした“絶妙の和”を生み出せるかどうかが、組織や団体の成長・発展の鍵でしょう。
 中国では「臣下が君主を助けて適当な政治をさせる」ことを「塩梅」と言いました(『大漢和辞典』)。  

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2015年02月03日

顔の見える小さな単位

 気鋭の社会学者で、被災各地の支援も行っている新雅史さんは「被災地だけでなく、これからの日本を考えるとき、『公民館』を中心としたぐらいの、顔の見える小さな単位のコミュニティーづくりが必須になってくる」と語っています。
 避難所、仮設住宅を転々としながらも、さまざまな工夫で「町内会」の団結を維持してきたある自治会長は言っていた。「私たちのような小さな工夫と団結が、あちこちで生まれて、日本は変わるかもしれない」と。  

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2015年02月02日

人の心を動かすのは

 人の心を動かすのは、やはり人の心です。これが、人間が感情の動物と言われるゆえんです。
 “博多の歴女”として活躍する白駒妃登美さん。「歴女」とは、歴史好き、歴史通の女性をいいます。彼女の共著『人生に悩んだら「日本史」に聞こう』(祥伝社)に、戦国武将の蒲生氏郷と家臣の心温まる物語が紹介されています。
 戦の後、家臣に十分な恩賞を与えることができなかった時、氏郷は一人ずつ城に呼び、自分と同じ食事をふるまい、自分用の風呂に入れました。しかも、自ら薪をくべたそうです。一城の主が風呂をたくなどあり得ない時代です。氏郷の振る舞いに、家臣たちは感激したという。労に報いたいという氏郷の思いが、家臣の心に響いたのです。  

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2015年02月01日

如月(きさらぎ)

 雪原に寒立馬が立っています。がっしりとした太い脚で大地を捉え、寒風に耐えている。時折、ひづめで雪を掘り起こしては、埋もれた草を食んでいます。ここは青森県下北半島の北東端にある尻屋崎の放牧地です。
 ここで寒立馬は冬を越し、春に出産シーズンを迎え、新たな命を誕生させます。厳しい風雪に身じろぎもしない圧倒的な存在感。春の到来を、じっと信じている姿のように思え、人生の冬を勝ち越える力を与えてくれます。
 2月は別名「如月(きさらぎ)」といいます。あたたかな陽気になる「気更来」、草木が芽吹く「生更木」からきたとの説も。少しずつ、季節は春へと動き始めます。  

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