2014年09月10日

国立競技場

 国立競技場は、JR信濃町駅の南西にあり、駅北側の創価学会本部からは、徒歩10分ほどの至近距離となります。2020年に東京で開かれるオリンピック・パラリンピックは、同競技場を建て替え、メーンスタジアムとします。学会の総本部にも、平和の祭典の熱狂と歓声が聞こえてくることでしょう。
 前回の五輪開会式で、聖火台に点火したのは、45年8月6日、原爆投下の日に広島県で生まれた坂井義則さん。19歳の青年でした。6年後の東京五輪は7月24日から8月9日までの予定で、期間中、広島の原爆投下75年を迎えます。閉会式は長崎の原爆投下75年と重なります。
 大会が、五輪のもとに人類が一つになる「世界平和の誓い」の祭典となることを心から期待し、応援したいものです。  

Posted by mc1460 at 11:33Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月09日

「受動」から「能動」に

 仕事、家事、育児に追われ、「時間がない」が口癖だった母親。ある時、4歳の娘に言われた。「時間はどこでなくしたの? 一緒に探すよ」と。母親はハッとしました。娘には落とし物が見つからず、困っているように見えたのでしょう。きっと笑顔も消え、知らず知らずのうちに、心配を掛けていたかもしれない。なくしていたのは時間でなく、〝心の余裕〟でした――以来、その母親は「時間がない」という言葉を、「充実しているわ」に置き換えるようにしたそうです。
 〝心のスイッチ〟を「受動」から「能動」に切り替えることで、時間の捉え方も違ってきます。何をやるにせよ、受け身の人は重荷に感じ、前向きの人は心軽やかに進めて いけます。この生命の勢いが、多忙の中にも心の余裕を生むりです。  

Posted by mc1460 at 11:32Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月08日

歴史の闇の中

 「原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい」。これは1954年(昭和29年)9月、アメリカの水爆実験による〝死の灰〟を浴びて亡くなった、久保山愛吉さんの悲痛な叫びです。
 この言葉は、東京・江東区の第五福竜丸展示館の記念碑に刻まれています。亡くなる半年前の3月、マーシャル諸島のビキニ環礁で被ばくした漁船「第五福竜丸」の名は、歴史に残っています。
 久保山さんは「第五福竜丸」の無線長でした。だが当時、同じ海で漁などをしていた船は多数ありました。第五住吉丸、第二幸成丸、新生丸、弥彦丸……高知船籍が多かった。しかし、そのほとんどは歴史の闇の中に葬られました。  

Posted by mc1460 at 10:26Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月07日

人間を信じる

 岩波新書や雑誌「世界」を創刊した作家・吉野源三郎。彼の代表的な論文に「ヒューマニズムについて」があります。戦争という卑劣な行為に走るのが人間であるが、平和を創造するための行動を起こすのもまた、人間である。この矛盾を抱えた存在である人間は信頼できるのか――。彼は「決意による選択の問題」と結論を述べています。
 善も悪も為すのが人間です。この両側面があるからこそ、大切なのは「私は人間を信頼する」という”決意の選択”である、と。吉野自身、戦中・戦後を生きる中で、その信頼を大きく揺るがすような醜い人間の姿を多く目にしました。それでも「人間を愛し、尊重する」姿勢を貫き続けました(『人間を信じる』岩波現代文庫  

Posted by mc1460 at 09:49Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月06日

負の遺産

 長崎の原爆遺構が、国の文化財に登録されています。城山小学校(旧・城山国民学校)にある被爆校舎など4件。広島の原爆ドーム以来の登録です。
 被爆校舎には、原爆の熱線による凄まじい焦げ跡が残っています。爆心地から500㍍の同校では1400余人の児童、31人の教職員、105人の学徒報国隊員らが亡くなりました。戦後、建て替えや解体の話もありましたが、原爆の脅威を伝える建築物として保存されてきたのです。
 後世への戒めとなる遺構を「負の遺産」といいます。世界遺産にも、原爆ドームのほか、アウシュヴィッツの強制収容所、アパルトヘイト(人種隔離)で政治犯を収容したロベン島などがあります。  

Posted by mc1460 at 11:30Comments(1)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月05日

グラミン銀行

 ノーベル平和賞のムハマド・ユヌス氏。氏は「人間は最大の利益を追求することだけに関心がある」との資本主義の考え方は、人間の本質をとらえそこなっている、と指摘しています。
 氏は貧しい人々が自らの手で利益をあげ、貧困を軽減することを目指し、「グラミン銀行」を創設しました。同行は、借り手の経済的自立を支援するため、他の銀行では扱わない少額の融資を、無担保で実施します。
 この銀行は、農村で耐えるしかなかった女性に手を差し伸べました。その手法は、“何をしても変わらない”という貧者の悲しみや世間が抱くあきらめを打ち砕いたのです。氏の自伝には、「私は、人類の創造力に対する揺るぎない信念を抱く」(猪熊弘子訳、早川書房)と。  

Posted by mc1460 at 11:49Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月04日

人間の行動だけが時代を動かす

 「時代の流れ」と人は言います。が、時代は自ら行動しません。人間の行動だけが時代を動かすのです。96歳で亡くなったロートブラット博士は、「核時代」の流れに棹さすことを拒み、「核なき時代」をつくろうと行動した人でした。
博士が加わった、原爆開発のためのマンハッタン計画。当初、科学者たちに、殺戮に手を貸すことへの良心の呵責がないではなかった。しかし、彼らは「戦争を終わらせるため」等と自分に言い聞かせ、行動を合理化し、正当化した。この自己欺瞞の弱い心を打ち破るには勇気がいります。
博士は勇者でした。原爆の真の目的はソ連を牽制することであり、ナチスは原爆を作れないと知ると、ただ一人、原爆開発から離れた。そして以後の60年を核廃絶に捧げてきたのです。
  

Posted by mc1460 at 11:10Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月03日

最初の一歩

 世界文化遺産となった富士山。それに比べ、知る人は少ないですが日本で2番目に高い峰・北岳(3193メートル)に登った人の話です。
 険しい道のりの後にたどり着いた山頂で、清々しい出会いがあったそうです。その人たちは70歳を超える老夫婦で、3千㍍級の山を制覇するのが生きがい。「一歩一歩、頑張って足を運んだ先に広がる絶景は格別よ」と夫人。ゆっくりと、しかし着実に歩みを進める姿に、人生の幾山河を越えた強さを垣間見た、と語っています。
 世界で14座ある8千㍍峰の全てに、日本人で初めて登頂した竹内洋岳さんは、「14座を登ろうとしたのではなくて、次の頂上が目標だった」と。同じ14座に人類初の完全登頂を成し遂げたイタリアの登山家も言っています。「最初の一歩は最後の一歩につながる。最後の一歩も最初の一歩からである」(『生きた、還った』横川文雄訳、東京新聞出版局)。
  

Posted by mc1460 at 11:38Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月02日

トゥバラーマ

 沖縄・八重山地方の民謡の名手として、世界的に知られる大工哲弘さん。大工さんは八重山民謡でなく、「雨降りお月さん」などの童謡、また「東雲節」「可愛いスーちゃん」などの、庶民の中から生まれた歌も歌っているそうです。
 CDに収録されている「庶民の歌」のいくつかに共通した特徴があります。それは、定まった歌詞がないこと。地方ごと、場面場面で、その土地その場にあった歌詞が、いくつか作られていることです。
八重山民謡の代表曲「トゥバラーマ」にも決まった歌詞はありません。かつては、即興で歌詞が作られたそうです。また一人一人、自分の歌詞を持っていて、遠くから聞こえる歌声だけで、誰が近づいてくるか分かったという。一人一人が自分の歌を持っている――なんと豊かな社会なのでしょう。残念ながら、今はテレビなどの影響で「トゥバラーマ」の歌詞が固定化してきた、と研究者は指摘しています。
  

Posted by mc1460 at 14:27Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2014年09月01日

 関東大震災

 関東大震災が起きた1923年(大正12年)9月1日、東京や鎌倉などに住んでいた多くの文人も、この未曽有の災害に遭遇しました。
 震災直後から芥川龍之介、与謝野晶子、島崎藤村といった、そうそうたる文人たちは、自身の体験を次々と書き残していきました。91年たった今、読み返しても、そこにつづられた心情は、単なる統計や記録以上に胸に迫るものがあります。
 当時、熱心に被災地の状況を描いた一人が、詩人で画家の竹久夢二でした。文章と絵画を合わせた作品があります。タイトルは「不死鳥」。氏は書きました。「新しい東京が生れることは、嬉しい。が、前の東京に返るのなら嬉しくもなくなる」(石井正己著『文豪たちの関東大震災体験記』小学館)。
 「新生」こそ真の復興との思いなのでしょう。こうした手記の印刷物は広く民衆に支持されました。新聞が早々に復活したのも、人々の強い要求があったからです。  

Posted by mc1460 at 10:56Comments(0)TrackBack(0)つぶやき