2014年09月29日
『別解』が必要
東日本大震災の被災地支援等を続ける、医師の鎌田實氏。若いとき、脳卒中で倒れた農家の老年男性の治療に携わったそうです。何日も家に帰らず、全力で救命を。やがて意識が回復し、右手足にまひが残ったが、リハビリの末、つえをついて歩けるように。「助けてくれてありがとう」。退院の日、男性は泣いて、お礼を言ったそうです。
ところが――1週間後に再会すると、「なんで助けたんだ。殺してくれりゃ良かった」と。氏は、信じられなかった。農家の老年男性は畑の雑草を抜こうとして「しゃがめなかった」からという。氏は、患者が〝生きていて良かった〟と感じられる医療こそが目標と悟りました。
「救命すれば『正解』では決してなかった」「救命をしたあとの『別解』が必要だった」と(『○に近い△を生きる』ポプラ新書)
ところが――1週間後に再会すると、「なんで助けたんだ。殺してくれりゃ良かった」と。氏は、信じられなかった。農家の老年男性は畑の雑草を抜こうとして「しゃがめなかった」からという。氏は、患者が〝生きていて良かった〟と感じられる医療こそが目標と悟りました。
「救命すれば『正解』では決してなかった」「救命をしたあとの『別解』が必要だった」と(『○に近い△を生きる』ポプラ新書)