2014年09月02日

トゥバラーマ

 沖縄・八重山地方の民謡の名手として、世界的に知られる大工哲弘さん。大工さんは八重山民謡でなく、「雨降りお月さん」などの童謡、また「東雲節」「可愛いスーちゃん」などの、庶民の中から生まれた歌も歌っているそうです。
 CDに収録されている「庶民の歌」のいくつかに共通した特徴があります。それは、定まった歌詞がないこと。地方ごと、場面場面で、その土地その場にあった歌詞が、いくつか作られていることです。
八重山民謡の代表曲「トゥバラーマ」にも決まった歌詞はありません。かつては、即興で歌詞が作られたそうです。また一人一人、自分の歌詞を持っていて、遠くから聞こえる歌声だけで、誰が近づいてくるか分かったという。一人一人が自分の歌を持っている――なんと豊かな社会なのでしょう。残念ながら、今はテレビなどの影響で「トゥバラーマ」の歌詞が固定化してきた、と研究者は指摘しています。
  

Posted by mc1460 at 14:27Comments(0)TrackBack(0)つぶやき