2014年02月04日

本年は画家・東山魁夷氏の生誕101周年に当たります。代表作「道」が有名ですが、氏の歩んだ道は平坦ではありませんでした。父の借財、戦争の苦しみ、両親、兄弟との死別……。ある時は、西洋の巨匠の作品を見て圧倒され、自分の素質を疑い、絶望感にさいなまれました。さらに、友人が次々と画壇の人気作家になっていくことへの焦りも。そんな遍歴をたどった氏が描いた「道」とは、どんな道だったのか。
それは、遠くにある丘の上の明るい空に向かって、ゆるやかに上り、右上がりに画面外へと続いていく道。氏は「私の心の中に、このひとすじの道を歩こうという意志的なものが育ってきて、この作品になったのではないだろうか」と(『泉に聴く』講談社文芸文庫)。  

Posted by mc1460 at 11:30Comments(1)TrackBack(0)つぶやき