2013年03月11日

記録

 1955年(昭和30年)の3月11日、北海道の小樽市公会堂で、創価学会が他宗との法論を行いました。学会があまりの圧勝だったため、後日、戸田第2代会長が特別に名前をつけました。「小樽問答」と。
 この日、若き池田名誉会長は司会を務めました。と同時に、法論の一部始終を「記録」することにも、心を砕いていました。当日は、名誉会長の発案により、オープンリール式の大きなテープレコーダーを会場に設置。また名誉会長は、司会を担当した後、すぐさまペンを執り、聖教新聞紙上で勝利の報を伝えました。
 当時を振り返り、録音に携わった青年が述懐しています。「歴史的な『記録』となった。当時は、これほど歴史に残る法論になるとは、思いもよらなかった」と。小樽問答に限らず、創価学会の一つ一つの出来事も、正確に記録し、連綿と語り継ぐ陰の労作業があったからこそ、栄えある歴史として、人々の心に刻まれてきたのです。  

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2013年03月10日

経験

 「経験は、時としてネガティブな選択のもとにもなる」。と、将棋棋士の羽生善治氏は語っています。失敗の経験は、自分の思考を縛ることになりかねない。そのため「そういうマイナス面に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させていかないと、経験を活かし切るのは難しくなってしまう」と(『決断力』角川書店)  

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2013年03月09日

素材の可能性

 栃木の有名な陶器の益子焼は、粘土の粒子が粗いため、重くて割れやすいそうです。しかし、醸し出されるその重厚さが、他に類を見ない魅力を生み出します。陶器に不向きといわれた粗い粒子の可能性を信じた先達の努力があって、益子焼が誕生したといます。
 大正時代、活動写真(映画)の弁士として名を馳せた徳川夢声がいました。夢声は他の弁士に比べ、決して多弁ではなかったそうです。だが、夢声は、凝縮された表現によって物語の魅力を最大に引き出し、「弁士業をまさに芸術の域にまで高めた」(都築政昭著『シネマがやってきた!』小学館)
 素材の可能性を見つけ、育もうとする心。対象の魅力を引き立て、花開かせる知恵。それらは芸術の世界に限った話ではありません。  

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2013年03月08日

偉大な文学

 偉大な文学は、大きな精神的苦悩を通してのみ生まれる――こう語ったのは、19世紀スイスの哲学者ヒルティです。
 彼は、14世紀イタリアの詩人ダンテに深く共鳴しました。ダンテの主著『神曲』が地獄、煉獄、天国の3界をめぐる旅であることを通し、「苦悩なしに詩的感動の真の源泉は開かれることなく、真正な芸術の天国に行きつくためには、詩人みずからが、地獄と煉獄とを通過している必要があります」(秋山英夫訳『ヒルティ著作集6』白水社)と述べています。  

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2013年03月07日

言葉の重要性

 医療にとって、技術の進歩が大事なことは言うまでもありません。それ以上に言葉の重要性が増していると、医師の鎌田實氏は指摘しています。人間を相手にするからには「言葉を扱う職業」との認識に立て、と。
 例えば、患者の側が薬や治療の説明を求めても、「素人にはわからないよ」と不愉快な顔をする医師がいます。そうした言動が、患者に不信や不安を抱かせ、ひいては生命力を減退させかねません。氏は訴えます。「丁寧で、心をちょっと支えるような言葉が必要」「生きる力を注ぐ言葉が大事」(『言葉で治療する』朝日新聞出版)
 これは、医療の現場だけではありません。言葉は、人間関係を円滑に導く“橋渡し”です。しかし今、対話を断ち切ろうとする“素っ気ない”“冷たい”言葉があふれてはいないでしょうか。心を傷つける言葉が横行すると、人間も社会も病んでいくばかりです。  

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2013年03月06日

朝令暮改

 「朝令暮改」と聞くと、普通は悪い印象を受けます。それは、方針や命令が絶えず改められ、あてにならない状況を指すからです。
 しかし、変化の激しい現代では、必ずしも「悪い」とは限りません。セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長の鈴木敏文氏は「あらゆるビジネスが『変化対応業』でなければ取り残されていく」と語っています。たとえ朝決めたことでも間違いだと気付いたら、すぐに変更する。臆することなく「朝令暮改」を勧める。それは、"顧客のニーズが日に日に変化しているからだ"と。
 人間は、過去の成功体験をなぞろうとします。でないと、過去の自分を否定してしまうことになるからです。会社の寿命が30年といわれ、大企業がいつしか斜陽になるのも、過去の成功が経営の判断を誤らせているように思います。  

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2013年03月05日

責任

 日本語で「責任」というと、重い響きがあります。責任を「負う」「取らされる」など、英語ではどうか。哲学者の鷲田清一氏が、オバマ大統領の就任演説にある“新しい責任の時代”という言葉を取り上げていました。それは、自身や自国、世界に対する変革の責務を訴えるものでした。ケネディ大統領も就任時、〝人類の自由のために何ができるかを自らに問おう〟と述べています。二人の演説に通底する「責任」は、英語の「レスポンシビリティー」。「応答する」に由来し、“他者からの求めや訴えに応える用意がある”との意味を含む、と。
 しかし、日本語の「責任」に、そうした含意はありません。国家や組織の一員として「負う」責任であって、“私”に呼び掛けられたと自覚し担うものではない、と氏は述べている(『だれのための仕事』講談社学術文庫)  

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2013年03月04日

桜の開花予想

 桜の開花予想のニュースも始まりました。桜ほど、皆に開花が待たれる花は、ほかにないでしょう。厳冬に立つ桜も、いいものですね。「花の開かない春はない」と言わんばかりに、着実な成長が、かすかに膨らむつぼみに見て取れました。花の偉大さを実感しました。
 一般に、花の"咲く""咲かぬ"の根本は、さかのぼれば「種」の段階にあるそうです。腐敗していない種には、芽生える因が厳然とあります。発芽に必要な主なものは、“うるおい”の水分、“ぬくもり”の温度、“滋養”の酸素といわれます。それは、人生勝利の花を咲かせる尊い育成の必須条件にも重なります。  

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2013年03月03日

良き助言者

 東北大学大学院の仁平義明教授は、つらい環境で心が傷ついた、子どもたちの立ち直りに必要な存在を「良き助言者」と指摘しています。損得関係を超えて、悩める子どもの全存在を受け入れてくれる人たちです。
 “自分のことを気遣う人が、親や兄弟以外にこの世にいた。そう考えた子どもは、自分は孤独ではないことを確信し、傷ついた自尊心を回復させることができる”と。  

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2013年03月02日

「おはよう」でなく、「はよう」に

 「おはようございます」「ありがとう」――さわやかな朝のあいさつは、一日を元気にスタートする秘訣の一つです。元アナウンサーの宮崎絢子さんは、最近、「おはよう」でなく、「はよう」と聞こえるあいさつをする人が増えていると指摘しています。その理由として、おなかから声を出さないため、最初の「お」の音が小さくなってしまうというのです。
 これほどIT化が進展する以前は、日本人もよい声を出していました。しかし今、会社では個別のブースでパソコンと向き合うばかり、友達ともメールのやりとりだけ。一日中、声を発しない人さえいます。宮崎さんは「あいさつすることが一番いい。3㍍くらい離れた人に届くような声を出していると、自分にとっていい声になっていきます」と語っています。納得!!  

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2013年03月01日

微笑み

 「娘よ――/いつかおまえの/たったひとつの/ほほえみが/ひとりの男を/生かすことも/あるだろう」。これは谷川俊太郎氏の詩「雛祭の日に」の一節です。
 “微笑み”には色や形はありません。しかし、人の心を揺り動かす力があります。英語の「スマイル」には「微笑む」以外に、「幸いする」「幸運を開く」との意味もあるそうです。他者のために灯をともせば、自分の前も明るくなる。人は幸せだから笑顔になるのではなく、笑顔になることで、幸福への軌道を歩んでいけるのかもしれないですね。  

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